来季3年目を迎える金本阪神で、首脳陣は若手外野陣が福留、糸井に対し“ケンカ”を売ることを求めている。
その種まきとして指揮官は就任直後から若手育成に注力。今季、最も芽が出たのは20本塁打をマークした中谷将大外野手(24)だった。来季は新助っ人のウィリン・ロサリオ内野手(28)=前韓国ハンファ=が加入、一塁を守れば必然的に外野1本となる。
現状、金本監督は来季41歳の福留と、FA移籍2年目の糸井をスタメンで起用するとしているが、いつまでもベテランにおんぶに抱っこの状況では本当の意味の「世代交代」は図れない。
内野では今月21日、陽川尚将(26)がイベントで「抜いていかないと1軍には残れない」とベテラン鳥谷に挑戦状をたたきつけた。あるコーチは「外野も福留、糸井に宣戦布告して挑まないと」とハッパをかける。
「これまでは若手にとってトリ(鳥谷)なんかは面倒見のいい憧れの先輩だっただろうけど、プロで生き残るにはそこを倒さないと先がない。福留と糸井にも圧倒的な実績があるが、彼らを越えないと金本監督の目指すチーム変革は進まない。先輩を名指しして挑戦するのは勇気がいるが、状況はそれほど切羽詰まっている」
その先陣を切ってほしい選手としてプロ1年目に新人王を獲得した高山、今秋のキャンプで両打ちに挑戦した江越(来季4年目)、身体能力の高い板山(同3年目)らの名前が挙がる。若手の意識改革に、チームの浮沈がかかっている。(山戸英州)